有限会社 今岡モールディング登録番号:0083

今岡恵一社長

今回のピックアップ企業は、有限会社今岡モールディングの代表取締役、今岡恵一さんにお話を伺った。

有限会社今岡モールディングは、現社長の父親(現会長)が昭和44年9月に創業。通信機器向けコネクターの成形を主たる事業としてスタートした。その後、より品質の高い製品を納めるために、昭和53年頃より同社独自で金型設計製作に取り組み始めた。

現在はエンジニアリングプラスチック成形を主に、金型設計からインサート成形までを自社内で手がけ、社内で製作する金型の90%以上は長期間の使用に耐えられる熱処理金型である。金属射出成形やセラミック射出成形など、金型摩耗しやすい成形材料に対応した金型設計製作でも非常に多くの実績があり、最近では対応できる企業が少なくなった熱硬化性樹脂でも金型設計製作から量産まで対応している。加えて、金型設計担当は商品設計の経験もあるため、製品の使われ方などユーザー視点を盛り込んだ金型の造り込みができ、それが同社の強みとなっている。「成形と金型の両方を自社内で手掛けており、それぞれの立場から改良、改善を実施し、長期的に安定した品質で供給が行えるよう日々努力している」と今岡社長は話す。

また、デザイン、筺体・回路基板設計、試作、量産とそれぞれに特化した4社でモノづくり縦系列のグループを形成し、製品開発の上流から下流までの縦の流れを総合的にサポートする体制を構築している。このグループの中で同社は量産部分を担当、現在は設計から製造までを請け負うOEM製品や、マイコンを組み込んだ量産向け検査冶具などの設計製作を行っている。「グループ全体の開発力を高め、中小企業ならではの商品開発にも今後は力を入れていきたい」と将来の抱負についても語っていた。

社員教育にも積極的で、同社の強みであるユーザー視点でのモノづくりを学ぶため、金型設計を希望する社員もまず成形に関する知識を成形部門で習得し、キャリア形成を図るようにしている。今岡社長はあまり多くは語らないが、モノづくり(仕事)の楽しさ・奥深さを知った上で成長して欲しいという強い想いがある。若手社員への直接の指導はもちろん、技術資料の作成、写真や動画による技術・技能の記録など、ITを活用した技術継承にも力を入れており、実力のついた社員には順次難易度の高い仕事をまかせ、会社全体のさらなる向上を目指している。また、大田区の地域産業としてのモノづくりを小さな頃から身近に感じてもらえるようにと、社会科授業の一環として地元小学校の工場見学を毎年実施しており、現在まで延べ1,000人を超える小学生が同社の成形、金型製作現場を見学に訪れている。

日本経済の厳しい現状に同社も少なからず影響を受けてはいるが、「他社で対応できないような困難な依頼にもお応えできるよう、コアとなる技術力向上のための努力を怠らず、お客様に安心して頂けるよう、安定した品質の金型や成形品を長期に渡り供給できる体制づくりをこれからも進めていきます。」という気概をもってモノづくりを実践している大田区を代表する企業である。
有限会社今岡モールディングは、大田ブランドの掲げる「Only Ota Quality」を実践している企業の1社であることは間違いない。今後、益々の活躍が期待される企業である。