株式会社 トライキッツ登録番号:0001

 今回のピックアップ企業は、金属・樹脂加工から、本格的な商品の企画・開発など幅広く手掛け、"製品"としてだけではなく、"商品"としてあらゆる「モノづくり」の要望に応え、活躍されている株式会社トライキッツの代表取締役、河合広介さんに話を伺った。

←【河合社長】

 同社の業務の柱としては、主に3つに分けられる。一つは、自動車関係のオートパーツ部品。切削や板金、組立など、柔軟な金属加工、樹脂加工に対応をしている。二つ目は、カーボン素材を駆使した商品開発である。「Carbon?izm」と銘打った商品は、カーボンクロスという品質・仕上に優れた素材を使い、非常に洗練されたデザインが採用されている。システム手帳やボールペン、財布、定規など、日常に使うものが多く、見た目の美しさや素材の持つ独特の質感が魅力的である。三つ目は、インテリア関連の開発・製造である。有名企業からもオファーがあり、着実にアイテム数を増やしてきている。
 こうした、実に多種多様な取り組みは、果たしてどういった背景から沸き出てきたものなのだろうか。それは、社長の生き方や考え方に強く表れていた。河合社長は、もともと企画に関する会社を立ち上げ、そこで様々な商品企画の経験を積み重ねてきた。また一方で、父親はばねの会社を営んでいた。町工場である。その会社を直接継ぐことはなかったが、河合社長はこうしたモノづくりに対して強い可能性を感じた。そして、これまで培った商品企画のノウハウや経験を、モノづくりの分野にも活かしていけないだろうか、と考え、同社を創業することになったのである。
 また、こうした想いは、社名にも強く込められている。「TRY(トライ)」は文字通り"挑戦"を意味するが、「KIT'S(キッツ)」には"部品"と言う意味だけではなく、"町工場"そのものを表しているという。町工場からの挑戦、産業界を支え、モノづくりへの飽くなき追求と情熱を表現していく場として、この会社を経営しているのである。
 河合社長は、社員に対して、次の3つのことは、取引先に対して決して言わないように教えている。「できない」「合わない」「間に合わない」である。「できない」は技術、「合わない」は予算、「間に合わない」は納期の面である。これらの言葉は、一度言ってしまえばそこで話が終わってしまう。たとえ状況が厳しくても、その場ではすぐに「○○ない」とは言わずに、「こうすればできるのではないか」というような代案を提示することや、自分たちができることを説明しながら、お互いに折り合える点を探ることが大事であるという。こうした心がけは、取引先とのコミュニケーションを図っていく上でも重要であり、より工夫をしながらモノづくりに取り組む姿勢にもつながっていく。
 トライキッツは、海外への展開も積極的に進めている。韓国や中国、台湾など、アジア地域を軸に、海外生産や調達サービスを行っている。コスト的な側面もあるが、こうしたネットワークを構築することにより、高品質・短納期を実現していくことを目指している。0001_pickup_02.jpg
 最後に、大田ブランドに対する今後の期待について話をきいた。「大田区はモノづくりの地域として、もっとアピールしていく必要がある。他の地域に負けない技術も沢山あり、それぞれが誇りを持って仕事をしている。アピールしていくためには、何か大きいことを仕掛けていきたい。夢のある商品を作って、注目されるようにしていきたい。大田区や大田ブランドが音頭をとって盛り上げていってほしい」と河合さん。
 独創的なアイディアや企画力と、確かな技術を持ち合わせたトライキッツは、大きな夢を持ちながら飛躍をし続けている。こうしたモノづくりに対する積極的な姿勢は、これからのモノづくり企業のあり方に大きな影響を与えていくのではないだろうか。トライキッツの、そして河合社長の活躍がますます期待されるところである。     ↑ 【オートパーツの数々】