一英化学 株式会社登録番号:0180

今回のピックアップ企業は、【無から有へのお手伝い】、【天才の1%は、「インスピレーション」(ひらめき)から成り、99%は「パースピレーション」(汗)から成っている】とトーマスエジソンの言葉を掲げ、今まで幾多の開発案件、技術課題を金型&プラスチック成形技術とアイディアで解決してきた一英化学 株式会社 代表取締役 西村 英雄さんにお話を伺った。

←【西村 英雄 代表取締役】

同社は1965年に西村社長が個人事業として創業して自動車内装部品を製造。1974年にアマチュア無線仲間であったFISA(株)斉藤社長(当時)に誘われ、東京工業大学と産学協同によるホットランナーシステム(プラゲート)の開発に尽力する。(この技術は、のちにFISA?の主力製品となる)その後、開発が落ち着いた1979年に第2工場を設立し、1985年に一英化学株式会社となった。1986年試作・開発部門を設け、1998年に日本では数少ない高温樹脂成形(スーパーエンジニアプラスチックと言われる耐熱性400℃を越える成形材料)にも対応し、医薬器分野にも進出した。
もともと西村社長は、サラリーマンとして制御回路設計をしていたが、このままでは自分の夢が実現できないと創業を決意したという。「最初は何も分かりませんでした。本を読んだり、近くの工場に見に行って技術を学び、今では金型、プラスチックのことなら一英化学に聞けと同業からも相談があります。医療器分野に進出できたのは、技術課題の相談に真摯に対応していたからだと思います。」と語る社長。「新しい技術の新聞記事や情報を収集し、新技術を使ったモノづくりはできないかと常に模索しています。頭の中には30くらいのアイディアがあるんですよ。」と見せてくれた大量の新聞記事のスクラップや資料はまさに金の卵である。そんな西村社長のモノづくりに対する熱い思いの源泉は、18才のときに夢の中に出てきた乗り物(詳細は明かせない)だ。「この乗り物を作りたいとの思いから日々頑張ってきました。今年やっと作ることができそうです。」と目を輝かせ嬉しそうに語ってくれた。
 同社が今、力を入れているのは、自社製品の開発・販促である。アイディアマンである西村社長は、ドラム式釜焼きそば機などユニークな製品を作っていたが、販促までは難しかった。既存の取引先である自動車業界が、グローバル化で年々厳しくなっている中、このままではいけないと取り組み開発した箸【すべら膳】が好調だ。0180_pickup_02.jpg高温樹脂成形のノウハウを生かしてSPSという特殊な樹脂から成形したため、耐熱性度も250℃、硬度も非常に硬く傷がつきにくく耐久性もあり、リサイクルにも向いている。ポリオレフィン等衛生協議会の確認証明書があり、安全面についてもお墨付きである。(もちろん食器洗浄機対応)しかし、【すべら膳】の最大の特徴は、先端にある。同じ大田ブランド登録企業である睦化工?の3Dプリンターを利用し、うどんなどの麺類がすべらないような形状を試作、先端の形状は意匠登録を済ませた。現在、社長の豊富な人脈を介して飲食店チェーンやフード業界から引き合いがある他、【すべら膳】というネーミングから合格祈願に地元神社からの発注もあったという。また、東京スカイツリーの開業に合わせた新製品を発案するなど、西村社長の活躍は止まらない。

   【すべら膳:販売価格300円】↑

最後に社長は「今まで懸命にモノづくりに励んできましたが、大田区というものを特に意識してはいませんでした。しかし、大田ブランドのマークを付けた自社製品を持って、外を回りいろいろな人の意見を聞くうちに、大田区中小企業のネットワークと今まで重ねてきた歴史は、とても重みのあるものだと実感しました。大田ブランドの名に恥じないように、これからもモノづくり大田の一端を担っていきたいと思います。」と語ってくれた。一英化学株式会社は、大田ブランドの掲げる「Only Ota Quality」を実践している企業の1社であることは間違いない。今後、益々の活躍が期待される企業である。