ヱビナ電化工業 株式会社登録番号:0100

 今回のピックアップ企業は、創業以来、めっき技術という素材加工技術の発展とともに進化する分野のパイオニアとして業界をリードしてきたヱビナ電化工業株式会社 代表取締役社長 海老名伸哉さんにお話を伺った。

←【海老名 伸哉 代表取締役社長】

 同社は1946年に海老名平吉氏(社長の祖父)が海老名鍍金工場を創業し、1953年にエビナ電化工業株式会社となった。戦後まもなくは、水洗金具やオートバイミラーなどのめっきからはじまり、各種金属、プラスチック、セラミックス、ガラス、カーボン等の新素材に対する開発へと進んでいく。1984年海老名信緒氏(社長の父)がアメリカ視察で当時開発中であったプラスチック製パソコンに注目し、1986年に日本でいち早く無電解めっき法による電磁波シールド工法を開発、全自動めっきラインによる量産体制を整え、その分野ではトップシェアとなった。そして、ISOの取得も積極的に行い、1999年にISO9002、2000年にはISO14001の承認を取得した。
 同社が力を入れているのは、検査・測定機器、分析装置などの設備の充実である。電子プローブX線マイクロアナライザーをはじめ、各種発光分光分析装置、原子吸光分析装置、原子間力顕微鏡など、おそらく公的工業試験場でも取り揃えていないくらいの設備が並んでいる。検査設備は1台数千万円するものもあり、それ自体が利益を生むものではないが、お客様の信頼を得るためには投資を惜しまない同社の姿勢が現れている。また、検査・分析結果を生産管理にフィードバックし、熟練性を要するとされていためっき液の管理も、科学的に処理できるようになり、ナノスケールでめっき被膜の保証ができるほどの品質管理を行っている。こうした万全の態勢で臨むことにより、顧客の高度な要求に応えている。
 しかし、同社の本当の強さは、自社の従前の強みであった技術に驕ることなく、先を読む目で勇気ある転換を決断しているところにある。電磁波シールド用の全自動めっき装置を手動に縮小し、マグネシウム合金への化成処理事業から撤退するなど、時代の変化を見て判断を行っている。そんな同社が、次に考えている分野は、めっき技術を活かした殺菌ビジネスである。「今までのお客様から品物を預かり納めるというスタンスでは、グローバル化が進む中、リードタイムが長くなってしまい状況が厳しくなる一方である。これからは、めっきの技術を生かした付加価値の高い製品開発を行い、今0100_pickup_02.jpgまでと違う分野に目を向けていく。」と語る海老名社長には脈々と受け継がれるスピードのある経営判断・チャレンジ精神を感じられずにはいられなかった。
  また、製品開発の原動力となっているのは、女性技術者の活躍が大きい。同社の従業員の約半数は女性だ。大手企業の採用はまだまだ男性優位のため、優秀な女性でも採用されにくい現状がある中、同社は精度が高く細かい試作をやるには女性が戦力になると考え積極的に採用してきた。ただ採用するだけでなく、優秀な女性を採用するため1999年本社を一新し、女性に配慮した労働条件も整えている。

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 このように「常に研究開発と投資を続けて業界の一歩先を行く企業」であることが評価され、2006年度元気なモノづくり企業300社に認定、第2回「勇気ある経営大賞」優秀賞を受賞している。ヱビナ電化工業株式会社は、大田ブランドの掲げる「Only Ota Quality」を実践している企業の1社であることは間違いない。今後、益々の活躍が期待される企業である。