株式会社 飯山特殊硝子登録番号:0006

「今月のピックアップ企業」は、常に新しい技術を取り入れた高精度な製品作りで精密硝子加工の無限の可能性を追求している株式会社飯山特殊硝子 代表取締役社長 飯山健二さん(役職は取材当時)にお話を伺った。

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 同社は昭和16年に飯山氏の父が飯山硝子加工所として創業し、昭和38年に(有)飯山寿秋商店へ、そして、昭和46年(株)飯山特殊硝子となった。硝子加工一筋65年以上の実績を積み、その技術を生かし、バリエーションに富んださまざまな製品を作成している。「1個以下の商いは無い」をモットーに少量品から対応し、取り扱いの硝子は約250種類、同業種からの発注もあるという。
 また同社では、素材の調達から材料の切り分け、形状加工、穴あけ、研磨までの一貫生産を行っている。その中で、設計者とのコミュニケーションを通じ、相手の意図を反映した「こうしたらできる」という図面訂正、オーバースペック排除の提案を積極的に行い、製造コスト削減、リードタイムの短縮に努めている。さらに、自社にある測定機器により品質保証をし、安心という付加価値までも創出している。
 今までの実績と提案力が認められ、昨年、平成21年度新製品・新技術開発支援事業にて補助金を受け、表面粗さ精度Å(オングストローム※)単位という「ガラス・ローラー内外周の超高精度研磨加工技術の開発」に成功した。それは、時代の要求である高精密化や使用方法の変化等の顧客ニーズを常に最優先に考えている同社であるからこそ生まれた技術であろう。 ※1Åは10の‐10乗m= 0.1ナノメートル(nm) = 100ピコメートル(pm) と定義されている。

0006_pickup_02.jpg【試験に使われる可視化用ピストンヘッド】→

また同社を紹介する上で、技能継承・人材育成に関することを忘れてはならない。バブル経済の崩壊以前は、社員平均年齢55歳ということであったが、現在の陣容は20代から60歳代と幅広く、モノづくりの中心を担っているのは30代から40歳代の社員であるという。
なぜそのように変わっていったのか?それは、同社の方針にあるのではないだろうか。
まず、一つに作業履歴のデータベース化が挙げられる。工程内保証という考えを導入し、各工程の作業情報をすべて電子化、誰でもアクセスできるようにして社内全体で技術の共有を図っている。
もう一つは、モノづくりに対するモチベーションを大事にしていることである。「トライしてみよう」という気持ちを大切にし、次世代を担う若者には、「この人にはまだ無理だな」と思われることに敢えて挑戦をさせるという。例え失敗しても、そこから次につながる経験を積ませ、フォロー体制にも余念がない。
挑戦を促す社風と技術共有の発想。このような良好な環境を重要視し、実際に取り組んでいる同社だからこそ、若い世代にも思いが伝わり自然と良い人材が集まってくるのではないかと感じた。 


 株式会社飯山特殊硝子は、大田ブランドの掲げる「Only Ota Quality」を実践している企業の1社であることは間違いない。今後、益々の活躍が期待される企業である。